私たちの研究室ではILC(国際リニアコライダー)などの先進線形加速器のための高強度陽電子源の開発を行っています。 現在、レーザー電子散乱による高輝度光子源プロジェクト(通称量子ビーム)のグループと、結晶チャネリングを利用して陽電子強度の向上を目指す結晶標的開発のグループと共に、研究・開発を行っています。両研究テーマとも主に茨城県つくば市のKEK(高エネルギー加速器研究機構)の加速器研究施設で実験を行っています。
これらの研究は国際共同研究であり、結晶標的開発のグループではフランスのコラボレーターと共にシミュレーションコードを開発するなどしています。
このページでは結晶標的開発について取り上げます。
高強度陽電子源開発の必要性
Geant4シミュレーションコードの開発
標的温度の測定と計測ユニットの開発
研究室配属を希望される学生へ(2割増しで)
この研究テーマでは主に次のようなことが仕事になります。
陽電子源の開発実験を行うための環境構築
高エネルギー電子加速器を用いた陽電子の生成実験
実験から得られたデータの解析作業
プログラムを用いた陽電子生成のシミュレーション
結晶標的開発のグループでは例年、KEKの加速器施設で夏と冬のビームタイムを利用し陽電子生成実験を行っています。そのためこの研究テーマを希望された方は、学生のうちから世界最高強度を誇る高エネルギー加速器施設での実験に携わることができます。同時に素粒子物理実験のための理論・基礎原理の学習や、実験により得られた生のデータを用いての解析作業、最先端のシミュレーションコードを用いたシミュレーション実験など、素粒子物理学・高エネルギー物理学における研究に必要な多くの知識を学ぶことができます。素粒子物理や高エネルギー物理に興味のある方のみならず、解析作業やプログラミングの学習を通じて学んだ知識や、さらに国際共同研究に携わるという貴重な体験は、将来の進路決定においても非常に魅力的な経験となるはずです。
画像:(c) ILC-Hiroshima
(Yuuki Uesugi 26 July 2011)